2013-05-14 (Tue)
21:32
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70歳になったら今までに払い込んできた保険料が全て返ってくるとして人気の『メディカルkit R』ですが、一般的な医療保険に比べて、どのようなデメリットが潜んでいるのでしょうか。
結論から先に言ってしまうと、『メディカルkit R』最大のデメリットとは、『 70歳までに入院・手術した場合に、70歳で受け取れる健康還付給付金(以下、還付金)が減額されること 』です。
それは、何故か。このデメリットがあるせいで、70歳までに払い込んだ保険料が70歳で還付されるという最大のメリットが無意味になるからです。
例えば、現在30歳の男性が70歳までに受け取る入院給付金と手術給付金は、平均して合計37万円です(入院日額5,000円の場合)。この37万円は、『メディカルkit R』加入者にとっては、上記のデメリットがあるため、損な部分です。
一般的な医療保険であれば、この37万円は純益となり家計にプラスのお金として計算できます。何故なら、37万円を受け取ったことで何らのデメリットも生じないからです。
しかし、『メディカルkit R』の場合は、70歳までに受け取った37万円は、70歳時の還付金からも37万円が減額されるというデメリットがあるので、プラスマイナス0円という計算になるのです。
これを踏まえて、30歳男性の2人に1人が亡くなっている82歳時点を想定して、『メディカルkit R』に加入した場合と、保障内容が全く同一で単純に還付金がないだけの『メディカルkit』(60歳払済)に加入して保険料の差額を貯蓄(金利1%)した場合において、どちらにメリットとデメリットがあるか試算してみましょう。
試算すると、82歳の時点で、『メディカルkit R』加入者は109万円の現金を保持していることとなり、一方で、『メディカルkit』加入者は106万円の現金を保持していることになる、ということが分かります。
この時点で『メディカルkit R』に大きなメリットがないことは明らかです。70歳の時点で保険料が返ってくることに意味があるのか、目に見える金額を増やしただけではないのか、と懐疑的にならざるを得ません。それでも、3万円分は『メディカルkit R』が有利なことも確かです。
しかし、この3万円のメリットも吹き飛びます。何故なら、『メディカルkit』は60歳で保険料の払い込みを終えた段階で、死亡時には約5万円の解約返戻金が支払われるからです。(『メディカルkit R』は、還付金受領前なら解約返戻金がある。ただし、入院・手術給付金の分は差し引かれる)
以上で明らかになったように、『メディカルkit R』最大のメリットである『 70歳での還付金 』は、最大のデメリットである『 70歳までに入院・手術した場合に、還付金が減額されること 』によって無意味と化すので、『メディカルkit R』を積極的に選ぶ理由はないのです。
ちなみに、82歳以降いつ死んでも『メディカルkit』のほうが有利ですし、81歳以前は契約初期の一時期を除いていつ死んでも『メディカルkit R』のほうが有利です。(ですからネット上で見かけるような、『メディカルkit R』は還付金が貰える70歳までに死んだ場合に不利だ、という批判は間違っているわけですね。)
また、81歳以前と82歳以降の死亡時の損益の差も大差ありません。例えば、30歳男性の4人に1人が亡くなっている73歳時点で『メディカルkit R』加入者は『メディカルkit』加入者に比べて28万円の黒字です。しかし、30歳男性の4人に3人が亡くなっている89歳時点で『メディカルkit R』加入者は『メディカルkit』加入者に比べて27万円の赤字となります。
ここまで見てきて、『メディカルkit R』を積極的に選ぶ理由がないことと、それと同時に積極的に選ばない理由もないことが分かりました。しかし、『保険』というものの性格を思い返すと、積極的に選ばない理由は強さを増します。
これこそが、第二のデメリットであり、詳しくは入院するほど損をする『メディカルkit R』に続きます。
なお、『70歳までに給付金37万円って本当なの?』、『試算条件がよく分からない』という場合は、『メディカルkit R』のデメリット試算方法をご覧ください。
それと、『メディカルkit R』は、還付金の有無に関わらず、そもそも入院保障が60日というデメリットを抱えている時点で、個人的にはダメな保険だと捉えています。
【記事の中身がよく分からなかった方へ】
分かりやすいように具体事例を挙げて、『メディカルkit Rのデメリットを分かりやすく説明してみる』で説明しておりますので、ぜひそちらをご覧下さい。
結論から先に言ってしまうと、『メディカルkit R』最大のデメリットとは、『 70歳までに入院・手術した場合に、70歳で受け取れる健康還付給付金(以下、還付金)が減額されること 』です。
それは、何故か。このデメリットがあるせいで、70歳までに払い込んだ保険料が70歳で還付されるという最大のメリットが無意味になるからです。
例えば、現在30歳の男性が70歳までに受け取る入院給付金と手術給付金は、平均して合計37万円です(入院日額5,000円の場合)。この37万円は、『メディカルkit R』加入者にとっては、上記のデメリットがあるため、損な部分です。
一般的な医療保険であれば、この37万円は純益となり家計にプラスのお金として計算できます。何故なら、37万円を受け取ったことで何らのデメリットも生じないからです。
しかし、『メディカルkit R』の場合は、70歳までに受け取った37万円は、70歳時の還付金からも37万円が減額されるというデメリットがあるので、プラスマイナス0円という計算になるのです。
これを踏まえて、30歳男性の2人に1人が亡くなっている82歳時点を想定して、『メディカルkit R』に加入した場合と、保障内容が全く同一で単純に還付金がないだけの『メディカルkit』(60歳払済)に加入して保険料の差額を貯蓄(金利1%)した場合において、どちらにメリットとデメリットがあるか試算してみましょう。
試算すると、82歳の時点で、『メディカルkit R』加入者は109万円の現金を保持していることとなり、一方で、『メディカルkit』加入者は106万円の現金を保持していることになる、ということが分かります。
この時点で『メディカルkit R』に大きなメリットがないことは明らかです。70歳の時点で保険料が返ってくることに意味があるのか、目に見える金額を増やしただけではないのか、と懐疑的にならざるを得ません。それでも、3万円分は『メディカルkit R』が有利なことも確かです。
しかし、この3万円のメリットも吹き飛びます。何故なら、『メディカルkit』は60歳で保険料の払い込みを終えた段階で、死亡時には約5万円の解約返戻金が支払われるからです。(『メディカルkit R』は、還付金受領前なら解約返戻金がある。ただし、入院・手術給付金の分は差し引かれる)
以上で明らかになったように、『メディカルkit R』最大のメリットである『 70歳での還付金 』は、最大のデメリットである『 70歳までに入院・手術した場合に、還付金が減額されること 』によって無意味と化すので、『メディカルkit R』を積極的に選ぶ理由はないのです。
ちなみに、82歳以降いつ死んでも『メディカルkit』のほうが有利ですし、81歳以前は契約初期の一時期を除いていつ死んでも『メディカルkit R』のほうが有利です。(ですからネット上で見かけるような、『メディカルkit R』は還付金が貰える70歳までに死んだ場合に不利だ、という批判は間違っているわけですね。)
また、81歳以前と82歳以降の死亡時の損益の差も大差ありません。例えば、30歳男性の4人に1人が亡くなっている73歳時点で『メディカルkit R』加入者は『メディカルkit』加入者に比べて28万円の黒字です。しかし、30歳男性の4人に3人が亡くなっている89歳時点で『メディカルkit R』加入者は『メディカルkit』加入者に比べて27万円の赤字となります。
ここまで見てきて、『メディカルkit R』を積極的に選ぶ理由がないことと、それと同時に積極的に選ばない理由もないことが分かりました。しかし、『保険』というものの性格を思い返すと、積極的に選ばない理由は強さを増します。
これこそが、第二のデメリットであり、詳しくは入院するほど損をする『メディカルkit R』に続きます。
なお、『70歳までに給付金37万円って本当なの?』、『試算条件がよく分からない』という場合は、『メディカルkit R』のデメリット試算方法をご覧ください。
それと、『メディカルkit R』は、還付金の有無に関わらず、そもそも入院保障が60日というデメリットを抱えている時点で、個人的にはダメな保険だと捉えています。
【記事の中身がよく分からなかった方へ】
分かりやすいように具体事例を挙げて、『メディカルkit Rのデメリットを分かりやすく説明してみる』で説明しておりますので、ぜひそちらをご覧下さい。
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Last Modified : -0001-11-30