2011-06-10 (Fri)
23:53
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ガン保険の必要性を考えるに当たって、どのようなガンに備えるか考えることが重要です。すなわち、「数十万円で完治するガン」と「死ぬまで毎年数十万円~数百万円の支払いが続くガン」の両方か、或いは一方かです。
私は、ガンに罹患するかも分からない中、貯蓄でも対応可能な前者に対する保障にまで保険料を払う必要はなく、後者のみ保障があれば十分だと考えます。しかし、既存のガン保険はどうでしょうか。保険料に比して保障が悪く、契約は慎重にならざるを得ません。理由は大きく4点あります。
1点目は、軽微なガンに対する保障が余計という点です。「ガン保険はやや不要(治療費が高額な理由)」のとおり、ガン罹患者全員が数百万円もの治療費を要するわけではありません。数十万円で済む軽微なガンに対して診断給付金などを含め全ての保障は不要で、むしろ貯蓄で対応困難な程に高額な治療費を要する「進行ガン」、「再発・転移」の保障が厚くなければなりません。
しかし、既存のガン保険は、ガンの軽重に関わらず保障する設計となっています。ガンに罹患しない場合に全保険料が無駄と化す中、「軽微なガン」に対する保障は余計です。例えば、保障条件を「ステージⅢ以上のガン又は再発・転移の診断確定」として、保険料を抑えた商品が望まれます。
2点目は、抗ガン剤治療のみを保障するプランがない点です。「同(治療費が高額な理由)」のとおり、治療費高額化の主因は、薬価の高い抗ガン剤による治療を、命続く限り、効果続く限り行うためです。具体的には、高額療養費制度により一般所得者の場合、月の支払上限は44,400円になりますので、治療費だけで年間53万円もの自己負担が一生続きます。70歳以上の場合は年間30万円、75歳以上の場合は14万円です。
ガン保険に加入するならば、抗ガン剤による治療保障が必要です。ガン治療は今や外来が基本ですので、入院や手術の保障は不要と言っても過言ではないです。抗ガン剤治療を行った月に、5万円程の給付金が必要でしょう。しかし、既存のガン保険は、この抗ガン剤治療特約をあくまで「特約」としており、入院、通院などの必須とは言い難い保障が漏れなく付いてきてしまうのです。
3点目は、先進医療・自由診療のみを保障するプランがない点です。治療費高額化のもう一つの要因が、重粒子線治療などの「先進医療」と未承認薬使用などの「自由診療」です。これらの治療は、「ガン保険に入るなら(自由診療と先進医療)」のとおり、利用する機会はとても少ないのですが、その機会に遭遇してしまった場合、もはや貯蓄で対応というレベルの話ではなくなります。ここにこそ、保険の必要性があります。
しかし、既存のガン保険は、先進医療を保障する商品は多々あるものの、自由診療までも保障する商品はセコム損保の「メディコム」だけです。ただ、メディコムもその他の保障が漏れなく付いてきてしまいます。
4点目は、先進医療・自由診療の保障を除き、保障期間は70歳或いは75歳までで十分という点です。70歳からの治療費は前述のとおり大幅に軽減され、収入も年金なので途絶えません。
しかし、既存のガン保険は、終身タイプが基本なので70歳以降の保険料を若いうちに前払いすることになります。一方の定期タイプにあっては、「ガン保険はやや不要(費用対効果が悪い:定期)」のとおり、罹患する確率の割に保障が少なく、保険としての商品性に疑問が残ります。
おまけに、高額療養費制度の改善が近い将来行われそうです。政府は、ガンや難治性疾患での高額な治療費負担を踏まえ、高額療養費制度に年間上限を設ける方向であると2011年5月に報道されています。前述のとおり今で年間53万円ですので、年間30万円程度が上限になるでしょうか。その場合、ガン保険の必要性は更に低下します。
以上をとおして、既存のガン保険は改善の余地が多々あり、終身にしろ定期にしろ契約するには注意が必要だと言えるのです。ここに、既存のガン保険には有力なものがないため、現時点では「やや不要」という私の結論に至ります。
「それならガンへの備えはどうするのか」といった質問がありそうですが、私は貯蓄で対応するつもりです。人生には様々なリスクがあります。ガンにだけ備えたところで、精神疾患や難治性疾患の発症、医療制度改革、交通事故、要介護状態、リストラ等々には対応できません。ですので、医療保険もガン保険も入らずに不測の事態への備えとして最低100万円程をキープしておくことを皆様にもお勧めします。
私は、ガンに罹患するかも分からない中、貯蓄でも対応可能な前者に対する保障にまで保険料を払う必要はなく、後者のみ保障があれば十分だと考えます。しかし、既存のガン保険はどうでしょうか。保険料に比して保障が悪く、契約は慎重にならざるを得ません。理由は大きく4点あります。
1点目は、軽微なガンに対する保障が余計という点です。「ガン保険はやや不要(治療費が高額な理由)」のとおり、ガン罹患者全員が数百万円もの治療費を要するわけではありません。数十万円で済む軽微なガンに対して診断給付金などを含め全ての保障は不要で、むしろ貯蓄で対応困難な程に高額な治療費を要する「進行ガン」、「再発・転移」の保障が厚くなければなりません。
しかし、既存のガン保険は、ガンの軽重に関わらず保障する設計となっています。ガンに罹患しない場合に全保険料が無駄と化す中、「軽微なガン」に対する保障は余計です。例えば、保障条件を「ステージⅢ以上のガン又は再発・転移の診断確定」として、保険料を抑えた商品が望まれます。
2点目は、抗ガン剤治療のみを保障するプランがない点です。「同(治療費が高額な理由)」のとおり、治療費高額化の主因は、薬価の高い抗ガン剤による治療を、命続く限り、効果続く限り行うためです。具体的には、高額療養費制度により一般所得者の場合、月の支払上限は44,400円になりますので、治療費だけで年間53万円もの自己負担が一生続きます。70歳以上の場合は年間30万円、75歳以上の場合は14万円です。
ガン保険に加入するならば、抗ガン剤による治療保障が必要です。ガン治療は今や外来が基本ですので、入院や手術の保障は不要と言っても過言ではないです。抗ガン剤治療を行った月に、5万円程の給付金が必要でしょう。しかし、既存のガン保険は、この抗ガン剤治療特約をあくまで「特約」としており、入院、通院などの必須とは言い難い保障が漏れなく付いてきてしまうのです。
3点目は、先進医療・自由診療のみを保障するプランがない点です。治療費高額化のもう一つの要因が、重粒子線治療などの「先進医療」と未承認薬使用などの「自由診療」です。これらの治療は、「ガン保険に入るなら(自由診療と先進医療)」のとおり、利用する機会はとても少ないのですが、その機会に遭遇してしまった場合、もはや貯蓄で対応というレベルの話ではなくなります。ここにこそ、保険の必要性があります。
しかし、既存のガン保険は、先進医療を保障する商品は多々あるものの、自由診療までも保障する商品はセコム損保の「メディコム」だけです。ただ、メディコムもその他の保障が漏れなく付いてきてしまいます。
4点目は、先進医療・自由診療の保障を除き、保障期間は70歳或いは75歳までで十分という点です。70歳からの治療費は前述のとおり大幅に軽減され、収入も年金なので途絶えません。
しかし、既存のガン保険は、終身タイプが基本なので70歳以降の保険料を若いうちに前払いすることになります。一方の定期タイプにあっては、「ガン保険はやや不要(費用対効果が悪い:定期)」のとおり、罹患する確率の割に保障が少なく、保険としての商品性に疑問が残ります。
おまけに、高額療養費制度の改善が近い将来行われそうです。政府は、ガンや難治性疾患での高額な治療費負担を踏まえ、高額療養費制度に年間上限を設ける方向であると2011年5月に報道されています。前述のとおり今で年間53万円ですので、年間30万円程度が上限になるでしょうか。その場合、ガン保険の必要性は更に低下します。
以上をとおして、既存のガン保険は改善の余地が多々あり、終身にしろ定期にしろ契約するには注意が必要だと言えるのです。ここに、既存のガン保険には有力なものがないため、現時点では「やや不要」という私の結論に至ります。
「それならガンへの備えはどうするのか」といった質問がありそうですが、私は貯蓄で対応するつもりです。人生には様々なリスクがあります。ガンにだけ備えたところで、精神疾患や難治性疾患の発症、医療制度改革、交通事故、要介護状態、リストラ等々には対応できません。ですので、医療保険もガン保険も入らずに不測の事態への備えとして最低100万円程をキープしておくことを皆様にもお勧めします。
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