2011-04-16 (Sat)
00:33
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「医療保険は不要(最終的結論)」のとおり、勤労期における1年半超の長期入院は恐ろしい事態です。では、そのような入院をする確率はいくらなのでしょうか、以下考察します。文が長いので、最終段落だけご覧下さっても結構です。
まずは比較のため、生命保険の分野である死亡確率を見てみましょう。厚労省の「平成20年 簡易生命表」によると、理論上「20歳男性が60歳までに死亡する確率」は「8.4%」です。
また、実際の人数で調べると、厚労省の「平成20年 人口動態統計」によれば、平成20年における20歳~59歳男性の人口は3,325万5000人、死亡者数は7万6,627人です。よって、「20歳~59歳男性が1年間で死亡する確率」は「0.23%」です。つまり、「40年間での死亡確率」は「8.8%」となります。
以上のことから、「男性が勤労期(20歳~59歳)のどこかで死亡する確率」は「8.4%~8.8%」と言えるでしょう。
次に、1年半超の入院の確率を、「入院する患者」からのアプローチは無理なので「入院した患者」側から見てみましょう。厚労省の「平成20年 患者調査」によれば、20歳~59歳男性(※)のうち1年半以上入院して平成20年9月中に退院した患者数は800人です(つまり年間では9,600人)。なお、800人の内訳として、1年半から5年未満の入院患者は端数処理のため統計上「0人」で、全員が「5年以上入院して退院した患者」です。
平成20年の人口は上述のとおりなので、「20歳~59歳男性が1年間で1年半超入院する確率」は「0.03%」です。つまり、「40年間での1年半超の入院確率」は「1.2%」と言えそうです。
以上のことから、「男性が勤労期のどこかで1年半超の入院をする確率」は「1.2%以上」と言えるでしょう。なぜ「以上」かと言うと、「患者調査」は1回の入院期間を調べただけだからです。実際は入退院や転院を繰り返す患者も居ることから、増加数は不明ですが一定の増加が見込めます。
次に、1年半超の入院をもたらす原因疾病についてです。先ほどの退院患者の統計のみでは心許ないので、入院患者についても見てみましょう。「患者調査」の調査日現在に20歳~59歳男性(※)のうち1年半以上入院している患者数は8万5,200人に上ります。なお、8万5,200人のうち、74%が「5年以上」の入院患者で、「10年以上」でも51%の入院患者が該当します。
以上の退院男性患者800人と入院男性患者8万5,200人について、再度「患者調査」で原因疾病を調査すると、それぞれ63%、82%の患者が、全人口の1%の人間に原因不明で発症する「統合失調症」が大部分を占める「精神及び行動の障害」を主な原因として入院していることが分かります。また、主な原因が「精神及び行動の障害」でなくとも、精神疾患を副傷病として長期入院している患者も多少います。
結局、全てをまとめると、勤労期の男性の「死亡確率は8.4%~8.8%」、「入院1年半超の確率は1.2%以上」、「入院1年半超をもたらす傷病の75%程は精神疾患」、「入院1年半超患者の74%は5年以上、51%は10年以上入院する」ということです。これを踏まえ、導き出される結論は、医療保険にせよ、所得補償保険にせよ、就業不能保険にせよ、精神疾患を保障外としている場合は、契約に値するか慎重な検討を要するということです。
※ 例えば、60歳~64歳男性で5年以上入院している場合は、勤労期に入院しているため、「20歳~59歳男性」に含めて計算する等の調整をしている。
まずは比較のため、生命保険の分野である死亡確率を見てみましょう。厚労省の「平成20年 簡易生命表」によると、理論上「20歳男性が60歳までに死亡する確率」は「8.4%」です。
また、実際の人数で調べると、厚労省の「平成20年 人口動態統計」によれば、平成20年における20歳~59歳男性の人口は3,325万5000人、死亡者数は7万6,627人です。よって、「20歳~59歳男性が1年間で死亡する確率」は「0.23%」です。つまり、「40年間での死亡確率」は「8.8%」となります。
以上のことから、「男性が勤労期(20歳~59歳)のどこかで死亡する確率」は「8.4%~8.8%」と言えるでしょう。
次に、1年半超の入院の確率を、「入院する患者」からのアプローチは無理なので「入院した患者」側から見てみましょう。厚労省の「平成20年 患者調査」によれば、20歳~59歳男性(※)のうち1年半以上入院して平成20年9月中に退院した患者数は800人です(つまり年間では9,600人)。なお、800人の内訳として、1年半から5年未満の入院患者は端数処理のため統計上「0人」で、全員が「5年以上入院して退院した患者」です。
平成20年の人口は上述のとおりなので、「20歳~59歳男性が1年間で1年半超入院する確率」は「0.03%」です。つまり、「40年間での1年半超の入院確率」は「1.2%」と言えそうです。
以上のことから、「男性が勤労期のどこかで1年半超の入院をする確率」は「1.2%以上」と言えるでしょう。なぜ「以上」かと言うと、「患者調査」は1回の入院期間を調べただけだからです。実際は入退院や転院を繰り返す患者も居ることから、増加数は不明ですが一定の増加が見込めます。
次に、1年半超の入院をもたらす原因疾病についてです。先ほどの退院患者の統計のみでは心許ないので、入院患者についても見てみましょう。「患者調査」の調査日現在に20歳~59歳男性(※)のうち1年半以上入院している患者数は8万5,200人に上ります。なお、8万5,200人のうち、74%が「5年以上」の入院患者で、「10年以上」でも51%の入院患者が該当します。
以上の退院男性患者800人と入院男性患者8万5,200人について、再度「患者調査」で原因疾病を調査すると、それぞれ63%、82%の患者が、全人口の1%の人間に原因不明で発症する「統合失調症」が大部分を占める「精神及び行動の障害」を主な原因として入院していることが分かります。また、主な原因が「精神及び行動の障害」でなくとも、精神疾患を副傷病として長期入院している患者も多少います。
結局、全てをまとめると、勤労期の男性の「死亡確率は8.4%~8.8%」、「入院1年半超の確率は1.2%以上」、「入院1年半超をもたらす傷病の75%程は精神疾患」、「入院1年半超患者の74%は5年以上、51%は10年以上入院する」ということです。これを踏まえ、導き出される結論は、医療保険にせよ、所得補償保険にせよ、就業不能保険にせよ、精神疾患を保障外としている場合は、契約に値するか慎重な検討を要するということです。
※ 例えば、60歳~64歳男性で5年以上入院している場合は、勤労期に入院しているため、「20歳~59歳男性」に含めて計算する等の調整をしている。
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Last Modified : -0001-11-30