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【ダメ共済】JA共済の医療共済「メディフル」を徹底評価

2021-09-17 (Fri) 19:39
 JA共済の医療共済「メディフル」について、評価してほしい旨のコメントをいただいたので、メリット・デメリットを考察していきたいと思います。

 結論としては、入院初日の一時金が著しく共済保障を劣悪なものにしており、ダメ共済と言わざるを得ません。

◆保障内容

 被保険者:30歳男性・60歳払済
 月額掛金:3,807円(1回型)
 月額掛金:5,892円(4回型)
 月額掛金:6,402円(7回型)
 共済金額:15万円

 メディフルは、30日ごとに入院一時金が支給される共済です。例えば、1回型であれば入院1日目に限り治療共済金15万円が支給され、4回型であれば、1日目、30日目、60日目、90日目の4回、15万円の一時金が支給されます。

 また、1,000万円の先進医療保障を100円ちょっとで付加でき、手術保障や健康祝金特則を設けたりもできますし、共済ですので、割戻し金も期待できます。

 先進医療や手術保障などに特筆すべき点はありませんので、コアとなる一時金保障と、ついでに健康祝金特則に重点を置いて考察していきます。

◆デメリット:初回一時金が最低最悪

 メディフル最大のデメリットが、初回の一時金です。この保障があるだけで、もはやこの共済には一円の価値もないように思えてきます。

 日帰り入院や1週間の入院に15万円も本当に必要ですか。そんなものは、貯蓄で対応すべき損失・リスクであり、保険や共済に頼るようなものではありません。貯蓄で対応すべきリスクと保険や共済に頼るリスクの線引きは重要で、そこを誤れば保険貧乏となります。

 さて、入院患者は大体何日程度入院して退院するのでしょうか。実は、男性入院患者の85%は30日以内に退院します。中には転院や一時退院もありますが、高確率で起こる30日程度の入院を保険や共済で備えるなんてナンセンスです。保険や共済は、低確率で起こる高損失の事態に備えるものです。

 現に、一時金を入院初日だけもらえる1回型の掛金は約3,800円と、信じられないほど高額です。15万円をもらうために、毎月3,800円も払うのは正解でしょうか。4回型の掛金は5,900円程度ですので、その差額は2,100円です。要は、入院30日、60日、90日の3回一時金をもらう設計なら、月額2,100円で足るのです。2,100円で足るのですから、一時金を倍額の30万円にしたって掛け金は4,200円、1回型とそう変わりません。あなたは、どちらの保障が魅力を感じますか。

 入院は、長引けば長引くほどに家計は窮します。30日入院したところで家計はそれほど窮しません。同じ掛金を払うなら、万が一にでも長期入院した場合の保障を厚くすべきなのです。短期入院で必要以上の給付を受けて得したなどと喜ぶ必要は一切なく、長期入院で貧困にあえぐ危険性にこそ思いをいたすべきです。短期入院保障なんてものは不要です。まして、短期入院で一時金がもらえるタイプなんて最悪です。

◆デメリット:掛金が高過ぎる

 メディフルの掛金は、割戻し金を前提にしているからでしょうが、それでも高過ぎます。

 例えば、メディフィットAという一般的な医療保険に30歳男性が60歳払済で、入院日額1万円、120日型で加入した場合の保険料は2,750円です。

 120日入院した場合、メディフル4回型なら60万円が支給されますが、メディフィットAなら120万円が支給されます。それなのに、掛金は、メディフルが5,900円、メディフィットAが2,750円です。どちらが魅力的かは明らかです。

 一方、日帰り入院の場合は、メディフル4回型なら15万円が支給されますが、メディフィットAなら1万円しか支給されません。しかし、日帰り入院なんぞに15万円も不要であり、度の過ぎた無駄な保障です。メディフルは、入院前後の通院にも使えるように一時金型を推していますが、そんなものは貯蓄で対応すべきです。

 また、メディフィットAに15万円の入院一時金特約を付加するのに要する保険料は1,700円程度なのですが、同じ15万円の一時金がもらえるメディフル1回型の掛金は3,800円です。メディフルの割戻し金が、毎年平均的に掛金の半分以上を還付してくれているなら問題ありませんが、やけに高過ぎる設計です。解約返戻金があるわけでもないのに、これほど高額な掛金を取る理由が分かりません。

◆デメリット:病弱者が損する健康祝金

 私は、健康祝金の類いが大嫌いです。健康な人が得をして病弱な者が損をするという、保険・共済にあるまじき設計であり、心の底から嫌悪します。

 健康祝金特則は、1,100円程度の掛金で付加することでき、掛金払込み期間中の3年に1回、健康祝金4.5万円が支給される設計です。入院一時金の支給があった場合は、その日が含まれる3年間についての健康祝金はもらえません。ということは、3年間で大体4万円を払って、健康であれば4.5万円がもらえることになります。健康であれば大変魅力的な利回りです。

 しかし、そんな魅力的な利回りが出せるのは、健康な人の裏に、祝金がもらえない病弱者がいるからにほかなりません。もしも病弱者側になってしまったならどうでしょうか。入院が長引いたり、回数が増えるほどに支出が増えて大変だというのに、もらえもしない健康祝金のための掛金を払わねばならないのです。

 病弱であれば、健康祝金はもらえずとも入院一時金が出ているからよいのでしょうか。そんなばかな話はありません。病弱で支出も増え、昇給も抑制されているのですから、お金は少しでも多いほうがいいに決まっています。健康なときの損失はどうとでもなりますが、病弱なときの損失は対処が困難です。病弱なときのリスクを更に後押しするような健康祝金は、その背景思想が最低だと考えます。

◆メリット:複数回入院の条件

 メディフルにこれといったメリットはないのですが、一度退院した後に再入院した場合の扱いが特徴的ですので、触れておきます。

 メディフルは、退院後60日以内の再入院は原因を問わずに通算される設計です。要は、退院後に61日以上のインターバルを置けば、入院初日の一時金が再度もらえるというわけです。一般的な医療保険では、退院後180日以内の同一傷病による再入院が通算される設計ですので、再入院の原因傷病次第ですが、おおむねメディフルのほうが良心的に思います。

 こうしたメリットらしきものがあるにはあるのですが、あまり重要とは思っていません。まず、入院と退院を繰り返す場合というのはトラブルが多いため、期待してはいけません。担当医師が何と言おうと、共済側が「そう何回も退院できるなら、通院治療でも大丈夫でしょ」と判断してしまえば、裁判所などの第三者機関に頼んで勝たなければ、一時金は払われません。

 また、一時金が払われやすいということは、それだけ掛金が高いということです。しかも、入院初回一時金という害悪保障に要する掛金がアップしているわけですから、最悪です。したがって、総じて、魅力に欠けるメリットであります。

◆まとめ

 以上のように、正直に言ってメディフルは、入院初回一時金という無駄な保障に多くの掛金が割かれてしまっており、加入余地が皆無な共済だと思います。

 検討の俎上にのせるには、初回入院一時金を外せて、割戻し金が50%以上期待できなければならないでしょう。しかし、短期入院を免責する保険や8大疾病を入院無制限保障とする保険がある中で、7回型でも210日ほどの中期入院にしか耐えられないメディフルでは、あまりよい勝負は望めないのも確かです。

 一時金を全面に打ち出して、「コロナになったら入院一時金15万円!」みたいな方向に行った方が、まだ価値がありそうです。


(参考)平成29年患者調査(厚労省)
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Last Modified : 2021-11-03

Comments







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考察ありがとうございました
大変勉強になりました。
2021-09-18-07:30 あきこ
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