2013-09-25 (Wed)
20:18
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旧キュアに比べれば、保障内容が向上しています。そこは間違いありません。
特に、皆が恐れる3大疾病に対しては、無制限の入院保障まで付いています。
でも、惜しくもダメ保険なのです。
◆保障内容と保険料
被保険者:30歳男性
月額保険料:2,276円(60歳払済)
入院給付金:5,000円/日
1入院の給付限度日数
下記以外の傷病:60日
糖尿病、高血圧、肝硬変、腎不全:120日
がん、心疾患、脳血管疾患:無制限
手術給付金:入院10万円、外来5万円
先進医療保障:2000万円
◆60日や120日の保障は要らない
ダメ保険=旧キュアで述べたように、60日や120日の入院保障なんて不要です。
60日や120日の入院なんて貯蓄で対応すべきリスクです。
入院保障が必要なのは、長期間に及ぶ入院であって、60日や120日の入院ではありません。
万が一、半年や1年間の入院を余儀なくされた場合を考えれば、保険で備えるべき事態が60日の入院なのか、1年の入院なのかは明らかです。
◆3大疾病は無制限だけど…
それでも、がん、心疾患、脳血管疾患の3大疾病に無制限の入院保障を付けたことは、一般的な医療保険よりも遥かに良心的です。
しかし問題は、『無制限の入院保障を付けるべきは3大疾病なのか』ということです。
仮に、長期入院患者の3人に1人しか、3大疾病で入院していないとしたらどうでしょう。
新キュアで長期入院患者の約30%しか保障できないなら、新キュアに加入する必要性が極めて高いとは言えないでしょう。
◆『無制限』で保障すべきは3大疾病なのか
果たして、長期入院患者のうち3大疾病で入院している患者の割合は多いのでしょうか。
入院1年以上の退院患者を対象とした場合、3大疾病が原因の患者割合は30%です。
入院3年以上でも同じく30%です。入院5年以上なら28%になります。
せっかくの『無制限』保障なのに、長期入院患者の3人に1人しか、その恩恵には与れないのです。
むしろこれなら、『無制限』保障すべきは『3大疾病』ではなく、『3大疾病以外』とすら言えるでしょう。
◆でも、他の医療保険だって最大3年の保障でしょ?
一般的な医療保険では最大でも1095日、つまり3年間しか入院を保障してくれません。
ですから、新キュアなら運よく『無制限』保障の恩恵に与れる可能性はあります。ここが新キュアの独特のメリットです。
ただ個人的には、3年以上の入院を30%の確率で『無制限』保障してくれるよりは、3年未満の入院を100%の確率で保障してくれるほうが、有意義な気がします。
長期入院の年間退院患者数(全疾病)は、1年以上で14万人、3年以上なら5万人、5年以上なら3万人となっています。
それでは、新キュアと1095日型を比較しましょう。
新キュアだと、1095日型なら保障される『入院1年以上3年未満の三大疾病以外の患者6万人』が保障されません。(もちろん入院120日以上1年未満の三大疾病以外の患者19万人などについても、保障されません)
その代わり、新キュアなら、1095日型では保障されない『入院3年以上の三大疾病患者1.5万人』が保障されます。
『6万人』と『1.5万人』との単純比較はできませんが、入院期間が1年を超えると、家計はさすがに苦しくなるでしょう。
そう考えると、1.5万人の三大疾病患者のために、6万人分の保障を棒に振るのは難しい選択ではないでしょうか。
ただ、上記人数は継続入院患者数なので、再入院・転院も踏まえると、新キュアの魅力は多少高まるでしょう。
また、長期入院の代名詞『精神疾患』が、今後の政策によって諸外国並みの入院期間に短縮されれば、長期入院患者の3大疾病の割合が高まりますので、更に魅力は高まるでしょう。
でも、楽天の医療保険『ロング』と比べてしまうと、新キュアは2倍の保険料なので、いくら先進医療特約が付いているとは言っても、ロングに分があるように感じます。
◆7大生活習慣病を『無制限』にしたらどうか
新キュアでは、3大疾病のみならず、7大生活習慣病を『無制限』で入院保障することも可能です。
7大生活習慣病とは、3大疾病に、糖尿病、高血圧、肝硬変、腎不全を加えたものです。
7つもの国民的病気を『無制限』で保障するなんて、なんて太っ腹なことでしょう。
これで長期入院リスクの大半はカバーされたも同然・・・なのでしょうか。
残念ながら、7大生活習慣病を無制限保障したところで、三大疾病のときと比べて少し多い患者を保障できるだけです。
入院1年以上の退院患者で言えば、3大疾病の『30%』に対して、7大生活習慣病では『35%』です。
入院3年以上なら、3大疾病『30%』に対して、7大生活習慣病『32%』です。
入院5年以上の場合は、3大疾病も7大生活習慣病も同じ『28%』です。
相変わらず、無制限で保障してくれるなら、『7大生活習慣病』よりも、『それ以外』のほうが良いですね。
◆有名な病気だけを取り上げるな
新キュアは見せ方が上手です。売り方が上手です。
広く一般に認知され、皆が恐怖を抱く、3大疾病を含めた7大生活習慣病を前面に出しているところが素晴らしいです。
誰しも『いずれは何らかの生活習慣病になるだろうなぁ、もしかしたら入院も長引くかもなぁ』という不安を漠然と持っています。
そこに付け込む!!
そして、長期入院患者の多くが3大疾病以外で入院しているという事実は明かさない!!
そりゃあ、発売11日間で1万件も売れますよ。一般的な60日型の医療保険と比べれば、遥かに有意義な保障内容ですから。
でも、売った1万人の方に適切な情報、判断材料を提供しているかは、怪しいものです。
最後になりますが、新キュアは及第点に惜しくも届かない医療保険なので『ダメ保険』と言っております。ですから、そこまでダメな保険ではありませんので、斟酌下さい。
参考資料:平成23年患者調査(厚労省)
特に、皆が恐れる3大疾病に対しては、無制限の入院保障まで付いています。
でも、惜しくもダメ保険なのです。
◆保障内容と保険料
被保険者:30歳男性
月額保険料:2,276円(60歳払済)
入院給付金:5,000円/日
1入院の給付限度日数
下記以外の傷病:60日
糖尿病、高血圧、肝硬変、腎不全:120日
がん、心疾患、脳血管疾患:無制限
手術給付金:入院10万円、外来5万円
先進医療保障:2000万円
◆60日や120日の保障は要らない
ダメ保険=旧キュアで述べたように、60日や120日の入院保障なんて不要です。
60日や120日の入院なんて貯蓄で対応すべきリスクです。
入院保障が必要なのは、長期間に及ぶ入院であって、60日や120日の入院ではありません。
万が一、半年や1年間の入院を余儀なくされた場合を考えれば、保険で備えるべき事態が60日の入院なのか、1年の入院なのかは明らかです。
◆3大疾病は無制限だけど…
それでも、がん、心疾患、脳血管疾患の3大疾病に無制限の入院保障を付けたことは、一般的な医療保険よりも遥かに良心的です。
しかし問題は、『無制限の入院保障を付けるべきは3大疾病なのか』ということです。
仮に、長期入院患者の3人に1人しか、3大疾病で入院していないとしたらどうでしょう。
新キュアで長期入院患者の約30%しか保障できないなら、新キュアに加入する必要性が極めて高いとは言えないでしょう。
◆『無制限』で保障すべきは3大疾病なのか
果たして、長期入院患者のうち3大疾病で入院している患者の割合は多いのでしょうか。
入院1年以上の退院患者を対象とした場合、3大疾病が原因の患者割合は30%です。
入院3年以上でも同じく30%です。入院5年以上なら28%になります。
せっかくの『無制限』保障なのに、長期入院患者の3人に1人しか、その恩恵には与れないのです。
むしろこれなら、『無制限』保障すべきは『3大疾病』ではなく、『3大疾病以外』とすら言えるでしょう。
◆でも、他の医療保険だって最大3年の保障でしょ?
一般的な医療保険では最大でも1095日、つまり3年間しか入院を保障してくれません。
ですから、新キュアなら運よく『無制限』保障の恩恵に与れる可能性はあります。ここが新キュアの独特のメリットです。
ただ個人的には、3年以上の入院を30%の確率で『無制限』保障してくれるよりは、3年未満の入院を100%の確率で保障してくれるほうが、有意義な気がします。
長期入院の年間退院患者数(全疾病)は、1年以上で14万人、3年以上なら5万人、5年以上なら3万人となっています。
それでは、新キュアと1095日型を比較しましょう。
新キュアだと、1095日型なら保障される『入院1年以上3年未満の三大疾病以外の患者6万人』が保障されません。(もちろん入院120日以上1年未満の三大疾病以外の患者19万人などについても、保障されません)
その代わり、新キュアなら、1095日型では保障されない『入院3年以上の三大疾病患者1.5万人』が保障されます。
『6万人』と『1.5万人』との単純比較はできませんが、入院期間が1年を超えると、家計はさすがに苦しくなるでしょう。
そう考えると、1.5万人の三大疾病患者のために、6万人分の保障を棒に振るのは難しい選択ではないでしょうか。
ただ、上記人数は継続入院患者数なので、再入院・転院も踏まえると、新キュアの魅力は多少高まるでしょう。
また、長期入院の代名詞『精神疾患』が、今後の政策によって諸外国並みの入院期間に短縮されれば、長期入院患者の3大疾病の割合が高まりますので、更に魅力は高まるでしょう。
でも、楽天の医療保険『ロング』と比べてしまうと、新キュアは2倍の保険料なので、いくら先進医療特約が付いているとは言っても、ロングに分があるように感じます。
◆7大生活習慣病を『無制限』にしたらどうか
新キュアでは、3大疾病のみならず、7大生活習慣病を『無制限』で入院保障することも可能です。
7大生活習慣病とは、3大疾病に、糖尿病、高血圧、肝硬変、腎不全を加えたものです。
7つもの国民的病気を『無制限』で保障するなんて、なんて太っ腹なことでしょう。
これで長期入院リスクの大半はカバーされたも同然・・・なのでしょうか。
残念ながら、7大生活習慣病を無制限保障したところで、三大疾病のときと比べて少し多い患者を保障できるだけです。
入院1年以上の退院患者で言えば、3大疾病の『30%』に対して、7大生活習慣病では『35%』です。
入院3年以上なら、3大疾病『30%』に対して、7大生活習慣病『32%』です。
入院5年以上の場合は、3大疾病も7大生活習慣病も同じ『28%』です。
相変わらず、無制限で保障してくれるなら、『7大生活習慣病』よりも、『それ以外』のほうが良いですね。
◆有名な病気だけを取り上げるな
新キュアは見せ方が上手です。売り方が上手です。
広く一般に認知され、皆が恐怖を抱く、3大疾病を含めた7大生活習慣病を前面に出しているところが素晴らしいです。
誰しも『いずれは何らかの生活習慣病になるだろうなぁ、もしかしたら入院も長引くかもなぁ』という不安を漠然と持っています。
そこに付け込む!!
そして、長期入院患者の多くが3大疾病以外で入院しているという事実は明かさない!!
そりゃあ、発売11日間で1万件も売れますよ。一般的な60日型の医療保険と比べれば、遥かに有意義な保障内容ですから。
でも、売った1万人の方に適切な情報、判断材料を提供しているかは、怪しいものです。
最後になりますが、新キュアは及第点に惜しくも届かない医療保険なので『ダメ保険』と言っております。ですから、そこまでダメな保険ではありませんので、斟酌下さい。
参考資料:平成23年患者調査(厚労省)
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