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 がんの診断給付金や入院給付金でトラブルが増えてきました。特に、がん保険のコア保障である診断給付金の有効性が揺らいでいるので御注意ください。

 要点としては、「がん治療」を要件とする各種給付金について、「再発予防」や「終末期の痛み緩和ケア(モルヒネの投与等)」が対象になるのか微妙だということです。

 がん保険加入者や検討者は、がんの再発予防が保障対象になるのか確認すべきです。


◆[実例No.1]

【契約者の主張】3回目の診断給付金を払ってほしい。治療中の白血病において、過去2回診断給付金を給付されたが、3回目で拒否された。しかし、抗がん剤は、初期から毎日服用しており、抗がん剤によって再発を防いでいる状態なので、一生飲み続けかねない状況である。抗がん剤で抑えられた数値をもって「完治した」と判断すべきでない。主治医も「がん治療が目的」と記している。

【保険会社の主張】体内にがん細胞が存在するという検査結果がない以上、「がんの診断確定」という要件に合致しないため、支払えない。診断書の検査所見には「完全奏功状態」とある。

【結果】和解。具体的内容は不明。
 
出典:裁定審査会[事案2019-1]がん診断給付金支払請求


◆[実例No.2]

【契約者の主張】1回目のがん診断給付金を受けてから2年経過後の今も、再発防止目的のホルモン治療のために通院しているので、2回目の診断給付金を払ってほしい。

【保険会社の主張】1回目の給付以降にがんと診断確定されていないため、再発予防目的のホルモン治療は「がんの治療を直接の目的」としたものではなく、要求には応じられない。

【結果】保険会社の主張が認められた。

 出典:裁定審査会[事案30-13]がん診断給付金支払請求


◆[実例No.3]

【契約者の主張】2回目のがん診断給付金を受けてから2年経過後の今も、再発防止目的のホルモン療法のための通院をしているので、3回目の診断給付金を払ってほしい。なお、医師も「がんの治療を直接の目的とした通院」としており、診断書にも「がん」と明記されている。

【保険会社の主張】体内にがん細胞があるという客観的根拠がないため、「がんの治療を直接の目的とした通院」とはいえないことから、要求には応じられない。

【結果】和解。具体的内容は不明。

 出典:裁定審査会[事案29-307]がん診断給付金支払請求


◆[実例No.4]

【契約者の主張】1回目のがん診断給付金を受けてから2年経過後の今も、再発防止目的のホルモン治療のために通院しているので、2回目の診断給付金を払ってほしい。

【保険会社の主張】体内にがん細胞があるという客観的根拠がなく、また、ホルモン療法のための通院は再発防止目的のものであり、「がんの治療を直接の目的とした通院」ではないので、要求には応じられない。

【結果】保険会社の主張が認められた。

 出典:裁定審査会[事案29-219]がん診断給付金支払請求


◆[実例No.5]

【契約者の主張】がんにより3か月入院したので、入院給付金を払ってほしい。なお、看護記録やカルテにも「がんの治療を行った」ことが明記されており、麻薬指定のある薬も処方されている。

【保険会社の主張】がんの治療は行われておらず、「がんの治療を直接の目的とする入院」にも該当しないので、要求には応じられない。

【結果】和解。保険会社側から和解案の提示があり、契約者同意。

【管理人所見】麻薬指定とあることから、ガン末期の緩和ケアの可能性があるか。

 出典:裁定審査会[事案27-268]がん入院給付金支払請求


◆[実例No.6]

【契約者の主張】再発性が高いため、主治医の診察により再手術を行った。過去2回の同様の手術では給付金が支払われており、今回も他社保険では給付金が支払われている。したがって、今回も給付金を払ってほしい。

【保険会社の主張】今回は、過去2回と異なり、診断書や医師回答では「良性」、「悪性所見を認めず」、「再発なし」とあり、本件手術は手術給付金の支払事由「診断確定されたガンか上皮内新生物を直接の原因とする手術」に該当しない。また、約款解釈は各保険会社の判断による。

【結果】和解。支払事由である「悪性新生物」には該当せず、また、過去の支払や他社の支払実績が今回の判断に影響するものではないとしつつも、早期解決のために裁定審査会から和解案が提示され両者合意。

 出典:裁定審査会[事案27-164]がん給付金支払請求


◆まとめ

 ということで、再発予防目的の治療でのトラブルが急増しています。

 「がんは完治しない」とも言われ、「寛解」という言葉が使われるように、幾ら悪性腫瘍を切除しても、相手が極小の細胞という以上、目に見えない取り残しは当然あり得ます。

 また、血中がん細胞の検出でも(福島原発のときに飲料水や海産物の放射性セシウムを検出していた装置のように)当然下限があるでしょうから、ゼロの証明なんてできっこありません。

 体内に残っているかもしれないがん細胞が再増殖しないように、抗がん剤やホルモン治療を行うことは当然です。

 そして、ホルモン剤は一般に安価ですが、抗がん剤は一般に超高額です。ここが保障されない危険性は無視できません。

 このように、がん保険のコアである治療保障において疑念が上がっております。トラブルになっている保険が何かまでは分かりませんでしたので、くれぐれも注意して契約してくださればと思います。



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